四十代税理士日常日記

備忘を兼ねた日記です。内容は私見です

【悲報】「家内労働者等の必要経費の特例」を使用した確定申告は作成コーナーでは中途半端にしか作れない(2019.3月現在)

確定申告まであと一週間ですね・・・

自営業者の皆さんも、不動産や仮想通貨などを売って儲けた方々も、その他確定申告が必要な方々も、同業者の皆さんも頑張りましょう!!

 

さて、タイトルの件を最近気づいたので、直前に申告しようと思ってる方が焦らないように情報共有の日記を書きます。

 

大変便利な国税庁の「確定申告書作成コーナー」ですが、

www.keisan.nta.go.jp

 

「家内労働者等の必要経費の特例」を使うための計算書の作成や、収支内訳書・確定申告書への必要事項の記載はできないので、

その分については手書きをしないといけない!(=つまり郵送か窓口提出になりインターネットだけで申告は完結しない)ということです。

 

よくよく国税庁のサイトを見てみたら注意書きが載ってるページがあった・・・

www.keisan.nta.go.jp

 

この特例を使うべき人の大部分は、自分が自営業者であるという意識が薄く、確定申告についての知識も少ないケースが多いのに、

そういう人たちが一番使うであろう「確定申告書等作成コーナー」で、これについての明確な案内もほとんどなく(上記の注意書きも散々探してやっと見つけた)、ネット上での作成もできないってちょっとどうなのかな・・・・・と思います。

 

 

来年は改善していますように!!

 

以下、この特例について簡単に書き、確定申告書等作成コーナーをできる限り使う場合の手順案をご案内します。

 

1.家内労働者等の必要経費の特例って何ぞや?

ざっくりいうと、

・内職など

・外交員

・集金人

・電力の検針人

・その他特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人(シルバー人材センターで働いてる人や、特定の会社に仕事をもらっている在宅ワークの人など)

について、

かかった経費の金額にかかわらず、最大「65万円」を経費として認識してOK!というものです。(ただし、他に給与所得があったり事業所得や雑所得がある場合は複雑な計算が必要)

 

制度の詳細については下記のように、いろんな方がいろんなブログ・記事にしていらっしゃいますのでここでは省きます。

setsuyaku.ceo

 

これは、経費が少ない傾向にある事業主に対して、

会社員など給料をもらってる人は「給与所得控除」というものがあるのに、自営業者は実際に使った経費しか引けない。という不公平さを少しでも緩和するためにある制度だと考えられます。

 

ここ数年、会社員と同じような働き方をしつつも「業務委託契約」「請負契約」等を結んでいるため自営業者として認識されている人たち(「雇用的自営」と呼ばれる)について、税制改正のたびに税制調査会で「平等な税制を目指すべき」と話題になっています。

2020年分の所得税から給与所得控除が10万減り、基礎控除に振り替えられる(ただし一定の所得以上については振替なし)という、という改正もこれを目指すためといわれています。

 

まさにこの「雇用的自営」の人が使える可能性があり、少しでも平等な税制に近づけるために存在するこの特例は、もっと多くの人に知ってもらう努力をする必要があると思うんですよね。。

 

適用できる条件に合わない人まで使ってきちゃったら困るからあまり大々的に言わないという気持ちもわからなくはないですが・・・・でもねえ・・・

 

2.手続き

 

上記特例を使うためには、普段の申告作業のほかに下記の作業が必要です。

1)「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書」を作成・申告書に添付する

↓これです(PDFがでます)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/09.pdf

 

2)収支内訳書(又は青色申告決算書)を作成した後、「所得金額」の欄に

収入から、1)で計算した必要経費の額をマイナスした金額を記載する。

加えて、その金額の頭に「特(マルで囲んでください)」と書く

 

3)確定申告書の第一表の「所得金額」の欄に、上記で計算した所得金額(青色申告の場合は青色申告特別控除控除後の金額)を記載し、その金額の頭に「特(マルで囲んでください)」と書く

 

4)確定申告書の第二表の「特例適用条文等」の欄に「措法27」と書く。

 

「確定申告書等作成コーナー」を使う場合も、上記は全て手書きでやらなければなりません。

 

 

3.確定申告書等作成コーナーをできるだけ使う場合の具体的方法(案)

では、作れるところまで確定申告書等作成コーナーで作って、それ以外は手書きでやる場合の具体的手順について、私なりに考えた案をご紹介します。

 

1)「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書」を手書きで作成する

 

2)収支内訳書(又は青色申告決算書)を手書きで作成する

「確定申告書等作成コーナー」で作成する収支内訳書(又は青色申告決算書)は所得の欄が自動計算になっているため家内労働者等の特例を使った所得の金額を入力することが不可能です。なのでこれも手書きでやるしかない。

最後に所得金額の欄に「特」と書くのをお忘れなく。

 

手書きで作成するための様式・手引きは↓から取れます。

www.nta.go.jp

 

3)確定申告書等作成コーナーを使って、確定申告書を作成する。

f:id:nekomage:20190308143620j:plain

「入力する」ボタンを押すと、下記のように手入力で収入・所得の金額が入れられますので、2)で作った収支内訳書(又は青色申告決算書)で計算した収入・所得の金額を入力します。

f:id:nekomage:20190308143743j:plain

源泉徴収された収入がある場合にはこの下に記載する欄があるので忘れず書きます。

 

あとはそのまま作っていけばOK

 

4)作成した確定申告書を印刷して、第一表の「所得金額」の金額の頭に「特(マルで囲んでください)」と書く。

加えて、確定申告書の第二表の「特例適用条文等」の欄に「措法27」と書く。

 

5)これらをまとめて添付書類と一緒に所轄税務署長に送る

 

 

以上です。

 

電子申告できないので、余裕を持って作成しましょう!