四十代税理士日常日記

備忘を兼ねた日記です。内容は私見です

年金保険料の最低額についての違和感

最初に申し上げておきますが、この日記には特に有益な情報はのっていません。単なる違和感の垂れ流しです。

 

最近、法人の社会保険(ここでは厚生年金・健康保険を指します)加入について年金機構の要請が年々厳しくなってきているようです。

 

社会保険加入については、日本年金機構のHPによると

「厚生年金保険の適用事業所となるのは、株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)です。また、従業員が常時5人以上いる個人の事業所についても、農林漁業、サービス業などの場合を除いて厚生年金保険の適用事業所となります。」

となっているように、

原則として法人は強制適用となります。

 

ただ、今までは、法人と言っても代表取締役一人だけだし役員報酬もそんなに出してないし利益も出てないし・・・というような会社は社会保険に入らず、国民健康保険&国民年金のままでいる、ということがよくありました。

 

ですが、やっぱり不平等というのもあるし、中には従業員を雇っているにもかかわらず社会保険をスルーしているような不届きな法人もあったようで、どんどん厳しくなってきていて、最近では、年金機構が登記簿と加入事業所のリストを照らしあわせて未加入の法人にはすべて「お尋ね書」を送ったり電話したり直接行ったりして加入を促しているようです。

(社長1人の法人で、さらに役員報酬が0円の場合は加入できず、また、保険料を控除できないほど少額の場合は加入を断られる場合もある、というのが定説ですが法律に明確に書いてあるわけではないのでケースバイケースだと思います)

 

強制適用なんだから加入を促すのは何もおかしな話ではないし、会社員になったのに万一社会保険に入れないなんていう労働者がいたら言語道断ですから、それ自体については個人的には「いいぞもっとやれ」という感じなのですが、

一つ気になるのは、厚生年金保険料の最低額が、個人負担分と事業主負担分あわせても国民年金保険料より安いこと・・・

 

 

厚生年金保険料は、平成30年10月現在は

 

「標準報酬月額」(月収により決まる)×18.3% を個人と事業主で折半します。

 

現在の厚生年金の標準報酬月額の最低額は88,000円(報酬月額93,000未満)なので、

保険料の最低額は

個人負担:8,052円 事業主負担:8,052円 合計 16,104円

になります。

 

また、厚生年金加入法人は、上記保険料以外に「子ども・子育て拠出金」として標準報酬月額の0.23%を事業主が負担する必要がありますので、

標準報酬月額88,000円の人が一人だけの会社は、別途202円の負担が必要です。

 

 

一方、平成30年度の国民年金保険料の金額は

16,340円

です。

 

つまり、1人法人で月収が93,000円未満の人は子ども・子育て拠出金を合わせたとしても(わずかではありますが)国民年金保険料のほうが高い!

 

*ただし、健康保険については、収入がこの会社からの給与だけであれば事業主負担も合わせれば国民健康保険のほうが安くなります。(この会社からの給与以外に収入がある場合はまた変わってきますが)

 

しかし、年金制度というものだけを考えると、

日本年金機構のHPに

「厚生年金の被保険者期間があって、老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たした方が65歳になったときに、老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金が支給されます」

とあるように、

年金がもらえる人は、厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上あれば、老齢基礎年金に上乗せして厚生年金がもらえます。

 

つまり、(金額の差は少しかもしれませんが)「年金保険料の額は少ないのにもらえる年金は増える」という状態になるということ・・・

 

しかも、もし年収が130万円未満、かつ勤務先で社会保険加入していない配偶者がいる場合は、その配偶者を「第3号被保険者」にできる、つまり配偶者分の国民年金保険料は不要となります。(もちろん健康保険料も不要)

  

まあ、社会保険制度全体でみれば、健康保険料は多く払ってるんだしいいのかもしれませんが、

それも収入がここの給与のみの人だけであって・・・・(これは別の問題なので今回はここまでにしておきます)

 

 

なんか違和感がある・・・・

せめて、厚生年金保険料の労使合計額を国民年金保険料よりは高くしてもいいのではないかな、という気がしましたが、

平成28年9月分までは、厚生年金保険の標準報酬月額の下限は98,000円だったので、

国民年金保険料よりは高かったことを考えると、

何か意図があってこういう状態にしているのかも?とも思いますが・・・

 

下限の引き下げ自体は、パートタイマーの方の社会保険の適用拡大にともない行われたものだと聞いておりますので、

一人会社の社長についてこのような状況になってるっていうのは想定外で、たまたまそうなっているだけのような気もしますけどね。

「子ども・子育て拠出金」の料率をもうちょい上げたら解決かな。